パソコン全盛期の秋葉原

インターネットが世に普及し始めて、既に20年が経過しましたがインターネットが世の中に普及する直前まではパソコンにインストールする「パッケージソフト」が台頭した時代がありました。パッケージソフトは1980年台から1990年前半まで全盛期を迎えましたが、インターネットの普及により、ユーザの嗜好の変化、フリーソフトの台頭などで次第にその商圏を奪われ、当時電気店の一角を埋め尽くしていた商用ソフト、ゲームソフト、エデュケーションソフトなどは軒並み縮小し、今では年賀状ソフトやウィルススキャンソフトなどを中心にわずかに残っているという状況です。

家電量販店のパソコンソフト販売コーナー
家電量販店のパソコンソフト販売コーナー。全盛期は1フロア使った店舗も多かった。

そんなパッケージソフトですが、スマホアプリにはいくつかの類似点があります。

1.端末にインストールされる
2.アプリケーションを購入するという概念
3.販売ルートが限定されていて、独自販売の概念がほとんどない
4.WEBと比べて開発コストがかかる
5.種類が非常に多い
6.デバイス毎に開発が必要

上記のように技術的な面での性質や、流通形態はとても類似した点が多いのですが、逆に異なる点は以下のような点もあります。
1.販売単価
2.販売までの参入ハードル
3.ユーザの入手方法

まず両者の大きな違いはその販売単価です。パッケージソフトが1本5,000~10,000円の相場観だったのに対して、スマホアプリはだいたい数100円が相場である。この差はパッケージソフトが大手卸(当時のソフトバンクなど)から小売り店(家電量販店)までの流通ネットワークの上で成り立っていたことと、利用ユーザが今のスマホと比べ圧倒的に少なかったため販売本数も数万本見込めればというデバイス自体の普及が単価設定の背景にありました。

次に参入ハードルについて、パッケージソフトは流通に対する影響やコネにクローズドな接点がなければ、販売ルートにのせることができませんでしたし、一部流通がリスクを抱える形態も存在していたため、それが品質の検閲の意味合いを兼ねていました。それに対してスマホアプリはPlayストアやAppleストアにWEBを通じて誰でもソフトを販売することが手軽にできるようになりました。利便性が高い反面、誰もがリスクを負わない販売形態で、かつ単価自体も安いため品質を担保する必要性が薄くなったことも事実です。しかし両者ともにWEBと異なり販売ルートは完全にコントロール下にありますのでその点では類似しています。

ユーザにとっての特徴も異なります。当時パッケージソフトを足を運んで購入しなければならず、その単価が比較的高額だったことから購入ソフトの選定はいまよりシビアでしたが、今はどこにいても購入でき、単価も安いため極論ですが、全く使えない「アプリ」を購入したところで大クレームになるということがありません。しかし評価や口コミという概念が今は存在するのでそういうソフトは売れなくなっていきますが。

クラウド化によって進化を遂げるパッケージソフト
クラウド化によって進化を遂げるパッケージソフト

ここまでパッケージソフトとスマホアプリのそれぞれの類似点や違いについて述べてまいりましたが、両者の共通点からスマホアプリがこれからどのような進化をしていくのかを考えてみました。
1.より高い品質のものが残る
2.ニッチでより高単価なアプリのニーズがある
3.販売(露出)について、新たなメディアの必要性
4.品質保持(バージョン管理)体制の必要性
5.よりモバイルデバイスの特徴を活かし、リアルと連動したアプリ

既に飽和状態にも見えるアプリですが、パッケージがクラウド化して進化していったことと照らし合わせて考えると、ユーザに対しての「高い付加価値を提供する」という点ではまだまだ発展途上で、今後さらに進化を遂げることで予想できます。現在、WEBで成功した企業がアプリに移行し始めていますが、そうでない企業でも「1アプリ1企業」という質の高いサービスが今後増えてくると思われます。

 

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